公務員時代の思い出シリーズ➂

公務員時代の思い出

吉田文化会館館長その2

前回の続き。かくしてYYD50の毎月21日に黄色い旗を掲げて町中を黄色に染める取り組みと、協賛イベントを毎月実施したのである。

今回は、よしだむら環境保存組合の立ち上げから運営・そして現在の状況を書いてみる。

何と!2021年4月に吉田文化会館に異動になり、6月ごろに田植えの苗が大量に余っているので植えないかとの話が舞い込んできた。機械も持って無いし、やったこともないけど、興味だけは凄くあった。農政水産課時代も米を作ったことがないのに農業者のサポート何かできないと思いつつ、わかった風な事を言っていたのが気恥ずかしい。機械を持っていない私が農業をすることが出来れば、だれでも農業(米作り)をすることが可能になる。これはある意味挑戦だ!とやってみることになった。

田んぼは、以前辞めたいと言っていた方の2反5畝ならすぐにも借りれる。トラクター・代掻き・田植えまで苗を提供してくれた友達が引き受けてくれた。私はその後の水の管理から農業がはじまった。吉田で農業をされている方に取水の決まりなどを教えてもらい、見よう見まねで取水板を作って水を堰き止めて田んぼに引き込む。始業前と昼休みと終業後に水の状態を確認する。

9月下旬には黄金色の稲穂が頭を垂れる。稲刈りもとうすも地元の農業者仲間にお願いする代わりにその人の稲刈り等の助っ人を名乗り出て相殺する感じで行っていました。

何とか、1年目は他力本願でしたが、10俵程度のお米の収穫になりました。そして、初めて自分が作付けし、手間暇かけた新米の味は格別なものでした。

多面的機能支払い制度の活用で資金調達

そして、2年目には多面的機能支払いの国の制度を使って、個人ではなくチームで農業をやっていく仕組みとその財源確保に努めてました。

2022年6月から「よしだむら環境保全組合」を立ち上げて地権者を中心に農家以外の担い手も十分活用し、耕作放棄地を出さない取り組みを実施することにしました。
①宮地池水系の田んぼは水の供給が豊富、雑排水が池に入っていないので水が奇麗。(美味しい)
②一部耕作放棄地は見られるが、全般的に比較的管理されてる。(保全意識がある)
➂一部の人に過剰に耕作の委託がされており継続のためにはチームでの負担減が必要(個の負担軽減)
④収穫されお米の販売先が確保されていないので卸業者に安値で販売されている(米の付加価値増)
⑤地域の農業に興味を引く取り組み実施により、農業に関心を持ってもらう。(担い手づくり)

農業者を中心に稲作を通じ、地域の保全管理と地域づくりへの投資

一番心がけたのは、三方良しの地域づくり。補助事業で農業者だけが得をするのではなく、地域も、社会も、行政もやって良かったなと思える事業展開が理想です。そのためには、大げさな意識として「農業で地域を救う!」ぐらいの意識で、補助事業の微々たるお金に固執することなく、地域に還元することで地域との接点を多く演出し、活動そのものに注目してもらい一緒に盛り上げると言った姿勢が必要だと思います。

初年度は、吉田保育園とのお米作り、子ども食堂、年越し餅つき大会、機関誌の発行等々、この事業を通じて数々の事業を実施してきました。なかなか身銭を切ってまでボランティアは出来ない。必要経費はこの事業で捻出し、事務的な段取りは公で雇用されている私たち公務員がやればうまく機能するのです。そして、ある程度定着すれば独り歩き出来る状態になると思うのです。

公の役割は、地域の進むべき道を明確にし、必要最小限の予算を確保し、地域の人の個々の性格・スキルを把握し、配役を決めて舞台公演を行うプロディューサー的な役割で住民の一人ひとりが配役に徹して踊る舞台を用意するのが仕事ではないかと思っています。

しかし、何で吉田文化会館の館長が農業なの?

あまり私自身必要と思ったら特に役所関係の周囲に相談もせずに突っ走るタイプなので、「何で?」と言われる事が多く、その対策として比較的早めに目に見える具体的な成果を生み出すことに注力し、理解を求めることにしています。

文化会館館長として求められること。
①文化会館の利用を促進し、活性化させる
②地区の内外を問わす大勢の方々が交流する施設となる
➂願わくば市の方針としている「人権啓発のセンター的な役割」

手法は正攻法ではありませんが・・・。
農政水産課での経験を活かして、農業を絡めて地域を活性化させるための補助事業は多々ある。
しかし、その事務のほとんどを地域の農業者がするのは無理。
それでは、公で働いている公務員が仕事の一環でそれを受け持つのは当然のこと。

特に、私が考えたのは吉田文化会館があったからこの事業が出来て、地域が助かったという構図
①まず、大変と思われている事務局的な仕事を文化会館の館長が引き受ける。
②活動拠点を文化会館にすることにより、会館の利用促進と地区の内外の交流が図れる。

これって?全国の文化会館が抱えている問題解決の妙案?ではないかと・・・。

調子に乗りやすい私は、文化会館館長1年数か月足らずで文化会館(隣保館)の全国集会の岡山県代表に(他にするところが無いので立候補)なり、2022年11月の鳥取の全国大会で発表させていただいたのです。まあ、取り組みを始めたばかりだったので内容はあまりありませんが「想い」だけは通じたと自負しています。

「地域づくり」って結構「急がば回れ」とか「瓢箪から駒」ってところがあり、失敗を繰り返しながらも「継続」しようという意識がメンバーの中にあればいつか花開くと思うのです。

多面的機能支払いでこんな事をしました!

今後の「よしだむら環境保全組合」

ご存じの通り、2023年4月の市の定期異動で私の吉田文化会館館長職は解かれて4月から本庁の「商工観光課参事」として異動になりました。定年まであと1年なのでまさかの異動でした。
しかし、後任の館長にこの仕事を引き継ぐのは酷なところもり、私自身プライベートでやりくりするつもりでしたが、役員のメンバーが事務局長を引き受けてくれて継続して事業展開をしています。

「なるようにしかならない」前述したように、いろいろな出来事は起こるものです。でも、会としての問題意識をそれぞれのキーパーソンとなる人たちが持っていれば、どうにかいい方向に向かうものです。すべて「継続」が成功のための条件だといつも感じています。
今後の「よしだむら環境保全組合」にご期待下さい。

おまけ

2022年11月の全国大会の前にプレゼンの練習をしていたんです。20分という時間なので私としては完璧にまとめようとして練習を数回行い、ついでにそのプレゼンをYOUTUBEにアップしていましたのでここに紹介します。(20分のプレゼンです。)

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